COVID-19の失敗を繰り返さない!
 
 
 
 
 

本日の日経新聞の記事である。「失敗の本質」の観点とほぼ同じ観点から論じている。

1)明確な優先順序なき戦略、

2)縦割り組織の弊害、

3)根拠なき楽観思想

まさに、中長期的展望にたった戦略の欠如は明白である。目の前の問題を場当たり的に処理してきた結果が今日の人災とも言える事態を招いている。

日本人や東アジア人は遺伝的要因、過去の感染状況、衛生観念やソウシャルディスタンスなどの社会的要因などの複合的要因により欧米などに比較してCOVID-19の感染状況ははるかに良好にも関わらず、大阪などで医療崩壊に陥っている。

1年前にCOVID-19はワクチンと治療薬が開発されない限り長期化することを念頭に対策を立てるべきであることを提言した。

また、感染症対策の基本は、感染者の隔離と重症化を防ぐ医療体制であるとも提言した。

それから1年、時間は十分あった。にも関わらず、この1年間の間に医療体制や検査体制整備は遅々として進んでいない。

いまだに3密回避とクラスター追跡しか能がない。確かにこれらの政策は感染症発生の初期には非常に重要であることは事実である。

しかしながら、3密回避はともかく、ここまで市中感染が広がればむやみに手間暇かかる「積極的疫学的調査(積極的クラスター追跡)」は時間と人的パワーのむだに他ならない。これらのパワーは検査体制や軽症者の隔離方法などの整備にそそぐべきである。やるべき優先事項が時間とともに変化しているにも関わらず、柔軟に対応できずに、優先事項の選択が間違っている。

政府や行政の縦割り、政府と地方自治体や日本医師会などとの連携努力の不足などが、検査体制や医療体制の整備を遅らせている。一部の医療従事者のみがコロナ治療で大変努力しているにも関わらず患者が減少している医療機関は多くある現実がある。なぜ、医療機関の地域での、あるいは地域を超えた連携ができないのか?

これもどうやら政府、自治体、医師会などの縦割りが招いたように思える。さらにワクチン接種のお粗末とまで思えるスピードである。いまだに医療従事者でさえ2回の接種を終えたのは20%にすぎない。まして高齢者は1回の接種を終えた人だけでもわずか0.3%である。これでオリパラを開催するという矛盾は到底理解を超えている。

日本は幸いにも様々な複合要因で感染者や死者の数は少なくて済んでいる。しかし、これはたまたまラッキーであっただけで、決して日本の感染症対策が優れていたからではない。2009年の新型インフルエンザ流行後に、日本でも感染症センターを設立すべきという答申があったにも関わらず今まで放置されてきた。日本は大丈夫だ、いざとなれば神風が吹くというあまりにも自己都合的楽観思想は国を滅ぼすだろう。東京オリンピックやパラリンピックもなんとかなるだろうという根拠なき楽観論がもたらす結果の責任は誰が取るのだろうか?苦しむのは国民である。

今、なにが最優先事項か?

ワクチン接種を全国民に10月までに完了することである。

ワクチン開発が過去50年間の科学技術の進歩の恩恵で想像をはるかに超えたスピードで進んだことは人類に取り非常に幸運だった。

イギリス、アメリカ、そしてイスラエルはその恩恵を十二分に享受し、COVID-19は収束に向い、市民生活が元に戻りつつある。

日本は世界から取り残されつつある。

このままワクチン接種が進まなければ、変異ウイルスの出現などもあり秋から冬にかけて第5波が来る確率はますます高くなる。

国の総力を上げて取り組むべき課題はオリパラ開催ではなく、ワクチン接種のスピード化である。オリパラ開催に必要な財政的人的パワーは全てワクチン接種に振り向けるべきである。両方を追い求める国力は日本にはないと考えなければならない。

1)手続きを限りなく正確にやるよりはスピードが重要、3)予約していなくてもその会場で余ったワクチンは年齢制限なしでワクチン会場の事務方や高齢者の付き添い人に接種する、4)ワクチン接種券があれば、全国どこでも接種可能であることを周知するとともに、住所地以外での接種のために必要な住所地への申請手続きを廃止する、5)医師や看護師のみならず、歯科医師、獣医師、医学部学生などが接種できるようにする、6)医師会が全面的に協力して全ての医師会員のクリニックで接種可能にする、7)東京と大阪で政府が自衛隊とともに運営する大規模会場での接種に関しても、当日あまったワクチンは会場運営者や会場周辺の希望者に接種する。

その他考えられることは全ておこなう。スピード接種がなによりも重要で、10月までに全国民への接種を完了することに集中する。これが日本が生き残る道である。

1にもスピード、2にもスピード、3にもスピードである。

その上で、第5波に対する対策を今からでも遅くないので準備すべきである(検査、医療体制の整備)。

COVID-19が収束しても将来訪れるであろう新興感染症対策のために、今こそ国に危機管理センター(感染症、自然災害、放射線災害そ総合的に管理する)を設立しなければならない。

2021年5月10日 月曜日

COVID-19の失敗を繰り返さない!
 
 
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